【コスパ最強&汎用性最高】初級~中級者におすすめのバリオ運用

コスパ最強&汎用性最高

”ソアリング”に出会い、その楽しさや気持ち良さを感じてしまうと欲しくなるのが『バリオ』。上昇速度や高度を音や数字で知らせてくれて、フライトの楽しさを倍増させてくれるパイロット達の必須アイテム。

けど、「バリオ」といっても色々なモデルがあり、機能も価格も様々。 どれを選べばいいのか迷ってしまうけど、使用用途や目的によって選ぶべきモデルはかなり限定できる。

今回は、現在最もおすすめの「バリオ」+「スマホ」の連携での使用パターンをご紹介。

コスパ最強&汎用性最高を探ります!

(というか、最終的に自分用に買っちゃいました。)

こんな人に向けて書いてます
  • まだ自分のフライトスタイルが見えない、けどバリオが欲しい
  • いろんなフライトスタイルに対応できるバリオを選びたい
  • 身軽なお気楽フライトとがっつりソアリング(コンペ~XCまで)どっちにも使いたい
目次

バリオ+スマホのコンビネーションで運用!そのメリットとデメリット

アルチ・バリオメーター(通称:バリオ)には用途に応じて様々なモデルがあります。

その辺りに関しては、「初めてのバリオ選び」で詳細を説明しています。

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そんな中、今回お勧めするのは「バリオ+スマホ(タブレット)」のコンビネーション!
汎用性が最も高く、かつコスパも最強。
(といっても近年の値上がりはかなりエグイですが)

今回おすすめする使用方法での、バリオに必要な機能は、

  • GPS内蔵
  • Bluetooth接続ができる

の2点。
それをお好みのサイズのAndroid端末と組み合わせれば、ハイエンドモデルのフライトコンピューターとほとんど同じ機能を利用できちゃうんです。一部利用できないシステム(FLARMなど)もありますが、僕はほとんどのパイロットには特に必要ないと思ってます。

思いつくメリット&デメリットはこんな感じ、

メリット
  • 高性能なGPS内蔵型バリオに比べて安い
  • 無料アプリXCTrackでGPS複合機のハイエンドモデルと同等な機能を使う事ができる
  • 気軽に手軽にフライトしたい時は、最小限の機器(小型のバリオ)だけでソアリングも十分に楽しむ事ができる。
  • 大きな(自分の好きな)画面で欲しい情報を表示させることができる。
デメリット
  • 機器を2つ管理しなければならない
  • 基本的にフライト時は、スマホ(タブレット)は画面が見難い(視認性が悪い)

機器を2つも管理するのが面倒な人は、素直に1台でなんでもできるフライト専用機器を買いましょう。
フライト中の視認性の悪さは、E Ink(電子ペーパー)搭載モデルでカバーしたりしている人もいますので今後も情報収集しながら必要に応じてアップデート、してもしなくてもOK。

XCTrack(無料アプリ)という神アプリ

今では世界中のパイロットがXCTrackというAndroidの無料フライトコンピューターアプリを活用しています。

XC Trackに関しては、2017年に「XC Trackを使ってみよう!」という記事を書きました。
内容が古いので近いうちにリライトしたいと思ってます。

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他にもいくつか似たようなアプリはありますが、現状ではXC Trackの圧勝というわざるを得ない状況。
唯一のマイナス要素としては、iOSアプリには無いこと。なので、僕を含めiPhoneユーザーは別途Android端末を用意する必要があるのです。

が、上手く探せば安く(1~2万円が最安の目安)手に入るのでそれほど問題ではないかな。

Amazonなどで探すときには、

  • Android
  • アウトドア
  • タフネス
  • 大容量

などのキーワードで探すのがおすすめ(って師匠から教わった)。
ただし、安い端末は画面輝度がそれなりなので注意が必要かも。輝度は「nit」=「cd/㎡」などの単位で表示されている。
ちなみに、iPhone X(最大625nit)からiPhone13(最大1200nit)で画面輝度は約2倍になっているのだそう。今、Amazon検索で出てきた2万円弱のスマホは「440cd/㎡」。これってどうなんだろうか・・・。使っている人がいたらきいてみたい。

安さにつられてAmazonのFire 7で運用したことがあったけど、画面が暗すぎて使い物にならなかったのを思い出した・・・。

大容量バッテリーは必須。最悪、満充電でもフライト中にバッテリーアウト・・・なんてことにならないように。

「アウトドア」「タフネス」で検索すると、なんとも丈夫そうなモデルが出てくる。テイクオフやランディングで転んだりする心配がある人は頑丈さも大事。

また、何かおすすめの端末があればその都度紹介します。するかもしれません。

どうしてもiPhoneを使いたい!という方は、iOS用の類似アプリ(フライトコンピューター系)で「Navigator」「Flyskyhy」などいくつかあるので、それを使ってみるのもアリ。

FlyskyhyはLiveTrack24との連携でライブトラッキングも出来るので、いっそのこと兼用するのもアリ?
その辺りは、今後徐々に検証していきたいですね。

↓ちょっと内容が古いですが、LiveTrack24の概要を掴むにはOK

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けど、「ユーザー数が多い=周りの人が多く使っている」ということは、この記事を読んでくれている方(初級~中級)には重要な要素だと思うのです。XCTrackの使い方で分からない事や困ったことがあったら、近くのパイロットに聞けば多くの場合、すぐに解決できます。パラグライダーのパイロット達はみんな優しいので、1聞いたら10くらい教えてくれるはずです。

BluetoothによるGPSバリオとの接続とその必要性の変化

XC Trackというアプリに出会った頃(2014年くらい?もっと前?)、主流だった機種は「Nexus7」でしたが、僕が使っていたのは「ZenPad7.0」。GPS精度もバッテリーもダメダメ。海外ツアーに持っていた時にはGPSをまったく補足しなくなってしまい、ただのオフラインタブレット(要するに役立たず)。バッテリーも貧弱だった(みるみるうちにバッテリー残量が減っていく)ので普段のフライトには便利だったが、大会時や長時間フライトには不向きだった覚えがあります。

対策として、モバイルバッテリーを接続して使用していたが、接触不良、過充電防止機能などの2次的な問題が発生して、とにかく面倒だった。まぁ、それでも便利なので使ってたわけですが。

そんな中、2016年に『XC Tracer』という、他デバイスとBluetooth接続可能なGPS内蔵サウンドバリオ(音だけで画面無し)が日本上陸し、すぐに購入。

購入後に書いた紹介記事がコチラ↓

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BLE(Bluetooth Low Energy)4.0の低消費電力での通信により端末にGPSデータを送り、それによってバッテリーの持ちも若干改善され、何よりGPS精度がフライト機器と同等になったことで安心して実践投入(XCや大会)できるようになり、コンペシーンでは世界的に不動のサブ機の地位を築きました。

XC Tracerは、基本的にコンペティションなど高度な機能が必要な場合は、外部のフライトコンピューターアプリと接続して利用することを前提にシンプルに開発されており、Webサイトにもそのような趣旨の文言が書かれています。そして、6年ほど経った今では世界中のパイロット達に利用され、最も有名なと言っても過言ではないバリオブランドとなりました。

現在(2023年)、XC Tracerのメインモデルは5代目「XC Tracer Mini V」。
ずいぶんと出世して、初代からお値段約2.1倍となっております。

そして近年では、スマホ(タブレット)の性能も向上し、バッテリーも随分と改善され、モバイルバッテリーの出番も減ってきたようです。いまだに、Galaxy Tab4で運用している僕はモバイルバッテリー必須ですが・・・。

さらに、内蔵GPSはかなり精度が高く、いつの間にかフライトコンピューターとしても、Bluetooth接続不要な域まで達しているらしい。自分の機器をアップデートしてなかったので気が付かなかった。というより、今回勉強しなおすまで「Bluetooth接続した方が良い」というふうに思い込んでしまっていたのかもしれない。

なんにせよ、時代は目まぐるしく進化しているので「数年前の常識は今の常識ではない」という事を肝に銘じて常に現状をキャッチアップする必要があることを痛感です。

もはやフライト機器とXC Track(スマホ/タブレット)をBluetooth接続して運用する必要はない、的な流れですが、メリットが消えたわけではありません

小型のGPS内蔵バリオ(Bluetooth接続機能付き)は比較的安価(近年かなり値上がりしてますが・・・)で購入でき、そのデータ(情報)を自分の好みの大きさの画面に好きな配置で表示させることができます。モニターの拡張のような役割ですね。 Bluetooth接続させることでバリオメーターの数値(上昇/下降率)や気圧高度(ほとんどのスマホには気圧計は内蔵されていない)も表示させることができます。

気圧高度とGPS高度に関しては、深堀しだすと抜け出せなくなるので、また別の機会に。

どの程度の上昇率/下降率なのかというのは、時に次の行動を決める重要な判断要素であったりします。人によっては、効率的なフライトのために、使うサーマルを上昇率(数値)で判断することもあるでしょう。 あとは単純に、「数値で見れた方がなんだか楽しい」というのは僕だけでしょうか!?

「おっ、+8m/sで上がってる、ウヒョー!」
「-5m/sで下がってる、アクセル全開、逃げろー!」

みたいな。

Bluetooth接続可能なGPSバリオの種類

2023年2月時点、当スクールで取り扱いのある中でBluetooth接続が搭載されている機器は、

XC Tracer Mini V
XC Tracer Mini V/XC Tracer(税込 88,000円)
参照:アエロタクト
SKYDROP double battery
SKYDROP double battery/SkyBean(税込 60,500円)
参照:アエロタクト

の2種類。

どちらも性能的には似たような感じですが、比較表で見てみます。

XC Tracer Mini V
SKYDROP double battery
  • 価格:88,000円(税込)
  • サイズ:69.5 x 49.5 x 16.5mm
  • 重量:46g
  • 稼働:30時間(+ソーラー給電)
  • IGC / KMLのトラックログ
  • 加速度計/コンパス/ジャイロ
  • Bluetoothアプリ連携
  • FLARM/FANET
  • ディスプレイなし
  • 価格:60,500円(税込)
  • サイズ:98 x 58 x 20mm
  • 重量:86g
  • 稼働:10時間〜20時間
  • IGC / KMLのトラックログ
  • 加速度計/コンパス/ジャイロ
  • Bluetoothアプリ連携
  • FLARM/FANETなし
  • LCDディスプレイ(カスタマイズ可能)

大きく違うのは3点、

  • ディスプレイの有無
  • バッテリーの仕様
  • FLARM/FANETの有無

ディスプレイがある分は当然、大きく・重くなります。基本的にスマホ(タブレット)と連携して運用するのであれば不要だろうし、バリオ単体での運用時に音だけでなく視覚情報(上昇/下降率、高度、対地速度など)が欲しいのであれば必要でしょう。

バッテリーの仕様も大きな違いがあります。
SKYDROPは従来通り、充電して使用します。販売当初はバッテリー容量が小さくて心もとない感じでしたが、現在はダブルバッテリー仕様となりその問題も解消したようです。
そして、XC Tracer Mini Ⅴはソーラーパネルからの電力供給により基本的には充電の必要がない!?充電の必要がないというのはズボラな僕にとっては魅力です。

FLARM/FANEは簡単に説明すると、位置情報の共有システムなのですが、日本国内では現在あまり活用されている様子も無く、ほとんどの一般パイロットには必要なさそうです。まぁ、数年後にはもう少し一般化している可能性もありますが、そう簡単には浸透しないでしょう。
ただし、フライト時の位置情報の共有という点は万一の際には非常に重要となります。先にご紹介した「LiveTrack24」がそのためのサービスです。

以上3点が大きな違いです。
基本的な性能が変わらないのであれば、個人的には安くてディスプレイがある方がいいかな、と思います。

ということで、新調するバリオをSKYDROPに決めたので、さっそく購入してみました。

後日、使用方法や使用感など記事にまとめたいと思います

まとめ

バリオとスマホ(タブレット)の組み合わせでの運用、いかがでしょうか?

まだ、ピンとこない人もいると思いますが、実際にSKYDROPで何ができるのか?何ができないのか?
XC Trackで何が出来るようになるのか。
その辺りが具体的に見えてくるとさらに分かりやすくなりそうですね。

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SKYDROPを実際に使用してみてのレビューも書く予定ですのでお楽しみに。

このページの管理者
Maebori Yoshito

【プロフィール】

  • スカイブルー八方尾根パラグライダ―スクール運営
  • 日本パラグライダー協会 副会長
  • ガラスアクセサリー工房「kirakira glass.」運営

スタート

  • 初めての単独高高度フライトは小学6年生。
  • 2007年にタンデムフライトのライセンスを取得、パラグライダー業界へ

現在

  • パラグライダーのパイロットになりたい方へのスクーリング
  • タンデムフライト(2人乗りパラグライダー)で年間500名以上のお客様を空へご案内!
  • パラグライダーを全力で楽しんでます!
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