無料のリアルタイムGPSトラッキングサービス「LiveTrack24」(位置情報共有)

LiveTrack24

もうずいぶんと前からパラグライダーパイロットの間ではメジャーな存在になった「LiveTrack24」。
基本的には使用料無料ですが、スマホから位置情報をリアルタイムでサイトに送信するためのアプリが一部有料(買い切りで数百円~千円程度)となります。

パラグライダーのフライトにおいてリアルタイム(3分遅れ)で位置情報を他者と共有できるのはかなりのメリットと安心感です。
この記事で、

  • LiveTrack24ってどんなサービスなのか
  • どんなメリットがあるのか
  • LiveTrack24への登録方法
  • スマホでの利用方法とPCでの見方
  • さまざまな活用方法

をなるべく丁寧にお伝えします。
ただし、複数種類あるアプリは突然使えなくなったり、有料になったりする可能性もあるのでご了承ください。

この記事を最後まで読んでいただければ、パラグライダーを、より安全に、より楽しめるようになること間違いなしです!

目次

そもそもLiveTrack24って何?

LiveTrack24は、スマートフォンを使い、位置情報をリアルタイムでWeb上で公開(共有)できるサービスです。
かなり前(2015年ころ?)から急速に普及して、パラグライダーパイロットの中ではかなり知名度は高く、利用している人も多くなりました。今ではなくてはならないツールといっても過言ではないです。

スマホにLiveTrack24に対応しているアプリをインストールし自分のLiveTrack24アカウントと紐づけます。あとは、ワンタップでフライト前にライブトラッキングを開始するだけ。すると、フライト中に電波圏内でれあれば事前に設定した間隔で位置情報を送信し続けます。送信するのはごく小さな位置情報データなので通信データ量の心配もほとんどありません。

LiveTrack24サイトの概要

サイトにアクセスするとこんな画面が出てきます↓

LiveTrack24-ホーム画面

「Live Tracks」から国別にその時Liveで位置情報を送信している人の一覧を見ることが出来ます。

(※ユーザー名を知っている特定の誰かのTrackを探すのであれば「Quick Search」欄に直接ユーザー名を打ち込めばすぐに発見することができます。)

日本の国旗アイコンを見るとこの時は6人がLiveの状態です。

クリックすると一覧と同時に地図上で場所を確認する事が出来ます↓

LiveTrack24-Live一覧

見たいTrackの詳細部分(①)か小さいMap部分(②)をクリックするとその人のTrackを見ることが出来ます↓

LiveTrack24-Live画面

大体3分程度の時間差はありますが、ほとんどリアルタイムで速度・高度・上昇率などを見ることができます。↑

「View Opitions/3D」をクリックして3D表示させることもできちゃう。

自分のアカウントを持って、他のユーザーにFriendリクエストをして承諾されるとFriendの一覧が見れるようになるので、仲間同士でのやりとりが楽ちん。

LiveTrack24-Friends

LiveTrack24のメリット

メリットは3つ!
  • 家族や仲間と楽しさを共有できる!
  • フライトログがWeb上に保存される!
  • 位置情報共有で安全対策になる!

家族や仲間と楽しさを共有できる!

パラグライダーというスポーツはめちゃめちゃ楽しいのですが、残念ながらその時に一緒に飛んでいる仲間としかその楽しみを共有する事が出来ません。
飛んでいる場所は地上から数百メートル上空で、移動すればすぐに数キロメートル先まで飛んでいってしまいます。
なので、飛んでいる本人達以外は見ていてもあまり楽しくないし、状況もほとんど分かりません。
ですが、このLiveTrack24というサイトを利用すると、より多くの仲間や家族と楽しさを共有できるのです。

今どこを飛んでいて、どのくらいの速度が出ていて(風が吹いていて)、高度はどのくらいあるのか、うまく上昇気流に乗っているのか、状況が細かく分かるのです。

フライトログがWeb上に保存される!

フライトログはサイト内の自分のページに保存されているので、簡単にその日や過去のフライトを確認する事ができます。
また、LiveTrack24のサイト内で2Dや3DCGアニメーションフライトを再生したり、データの解析をすることも可能。
フライトログはIGCかGPXファイルでいつでもダウンロードも出来ます。

フライト時に毎回使用していれば、フライトログの管理/保存にも便利です。

位置情報共有で安全対策になる!

なによりフライトエリア管理者としては安全管理に非常に役立ちます
ランディングディレクターは飛んでいる人達の状況をおおまかには把握していますが、全てを監視(管理)する事は不可能です。
北アルプスの山々は険しく深い。一歩間違えば大変危険なこともあります。
万一トラブルがあって山の中に墜落したり、ひっかかったりしてしまった場合、本人と連絡が取れないとどこにいるのか発見することは困難。もしかしたら意識を失っているかもしれません。
山中では無線機の電波も届かなかったり、携帯電話も圏外だったりする可能性があります。

しかし、その素晴らしく雄大な山々での山岳フライトが白馬でのパラグライダーの楽しみ方の醍醐味でもあります。

そんな時に役立つのがこのLiveTrack24!!
このシステムを使って飛んでいれば、トラブルがあった際に場所を特定することが出来るのです。八方尾根フライトエリアの場合、山岳エリアとはいえフライト空域はそのほとんどが携帯電話電波の圏内です。
たとえ墜落後の地面では電波が通じなくても、空中でのフライトログ(軌跡)が残っていればおおよその場所は分かります。

事故が発生した時には、何よりなるべく早く場所を特定し現地に辿り着くことが大切ですので、非常に役立つ安全管理システムなのです。位置の把握は最重要です。

しかも、基本的には利用無料ですのでコストゼロで導入できます。
現在、iOS機種の場合にはアプリが有料ですが、数百円~千円程度です。
電波の関係やアプリの不具合などでうまく作動しない場合もありますが、有用なものであることは間違いありません。

登録方法(アカウント作成)

まずは、LiveTrack24のサイトにアクセス 

https://www.livetrack24.com/

右上の「Sign Up」からアカウント作成を行えます。
すでにアカウントを持っている場合は「Login」からユーザー名とパスワードを入力してログインできます。

Sign upページが開いたら「Website」以外のすべての項目を入力して、「Create my account」をクリックで完了!

スマートフォンアプリでLiveTrack24

実際にLiveTrack24でライブトラッキングするためには、スマホアプリを利用することになります。

アプリも複数種類あるので、さっそく使用するアプリを決めてインストールしましょう!

アプリ選び

まずはLiveTrack24サイトのトップページをスクロールし、一番右下「Install on your phone」をクリック(タップ)します。

すると、LiveTrack24対応のアプリ一覧がOSごとに並んでいます。

ページ上部に注意書き(このスクショには写っていませんが)もありますが、基本的にはサードパーティ製アプリです。
アプリによっては、開発や提供が突然終了したり、OSのバージョンなどとの相性によって正常に動作しなくなったりすることがよくあります。

僕がiPhoneを使っているので、iOSでの説明が中心になります。Androidに関しては、昨年(2022)夏ごろにAndroidユーザーにヒアリング調査した情報です。

iPhone(iOS)の場合、現状では無料アプリは無くなってしまい、いずれかの有料アプリを購入することになります。価格は480円~1000円といったところ。
さらに、一覧に表示されているアプリでもすでにApp storeから消えているものもあります。

僕自身、以前は「ThermGeek」というアプリを使っていましたが、数年前(去年か一昨年)にいつの間にか使えなくなり、App storeから消えていました。

2023.03.23現在、購入できるのはSkyLogger」「Flyskyhy」「Iparapente(iParapente)の3つのようです。

多くのアプリ(特に有料アプリ)は、ただライブトラッキングするためではなく、GPS情報を利用してフライト時に様々な情報を表示させたり、フライトログ(軌跡)が解析できるように表示させたりするというような機能を有しています。
せっかく有料なら、そんな観点でアプリを選ぶのも良いかもしれません。
FlyskyhyなどはBluetooth接続機能がついているGPS内蔵バリオの仕様に、連携可能アプリとして明記されていることも多いようです。(SKYDROPは動作確認済み)

↓↓スマホとBluetooth接続可能なバリオに関しては、過去記事で解説しています↓↓

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僕は、ThermGeekが無くなってからはFlyskyhyを使っています。
先に述べたように、バリオのマニュアルに名前が載っていたのと、UIがiParapenteよりも洗練されている感があったからです。
しかし、iParapenteを使っているパイロットに聞いてみると、使用感は悪くなさそうです。そもそも、ライブトラッキングすることだけが目的なら安い方が良いですね。

Androidの場合、「Tracker」「TTLiveTrack24」がサイト上でRecommended表示なので、特に理由がなければどちらかで良いと思います。

が、こちらも一癖あります。

Trackerは正常に動作しているようなのですが(2022年時点)、Google Playからダウンロードできないため、別で下記サイトからダウンロードおよびインストールする必要があります。

TrackerのWebサイト
https://www.mycloudbase.com/tracker/download.htm

解説すると長くなってしまうので、サイト内の説明をご自身でGoogle翻訳DeepLなどで翻訳しながらやってみてください。
それほど難しくはないです。

TTLiveTrack24は、2020年~2021年あたりに正常に動作しない期間があったようですが、2022年8月に不具合解消のアップデートがされたようです。
その時のバージョンがV.3.52なので、それ以降であれば改善されていると思います(検証はできていません)。
この件に関しては、フライヤーの野呂氏が個人サイトで解説されているので、参考にしてみてください。

Free from the Gravity
https://noro.undo.jp/TTLiveTrack24/TTLiveTrack24.html

アプリの設定方法

細かい設定方法はアプリごとに違いますが、LiveTrack24に接続するための基本的な設定は共通ですので、ここではFlyskyhyを例に説明します。

設定の要点は、
LiveTrack24に登録したユーザー名とパスワードで、LiveTrack24のサーバーに接続する設定
です。

では詳細は下のスクショに沿って、

画面下部の「Settings」をタップ → 「Live Tracker」をタップ → 各項目を設定

の流れです。

【設定項目】

Enable live tracking

「Always on」もしくは「During filight」。
アプリでライブトラッキング起動後、すぐにトラッキングを開始するならAlways on。
アプリでライブトラッキング起動後、テイクオフを感知して自動でライブトラッキングを開始するならDuring flight。
といった感じですが、この部分の仕様はアプリによって違う可能性が高いのでご自身で検証してみてください。

Tracking server

「LiveTrack24」を選択。

Login name

LiveTrack24に登録したユーザー名を入力。

Password

LiveTrack24に登録したパスワードを入力。

Report Interval – s

位置情報をLveTrack24のサーバーに送信する間隔。細かく送信した方が記録されるログも細かくなります。
僕は「3」ですが、ここはお好みでどうぞ。最小および最大間隔はFlyskyhyの設定画面には記載が無いし、アプリ上ではエラーが出たりもしないようなので、不明。

Friends

設定なしでOK。

設定が完了したら、アプリトップページの下部にある「Start」をタップしてライブトラッキング開始!
ほとんどのアプリではランディング後に「Stop 」ボタンを押さないとライブトラッキングし続けることになってしまいますので注意しましょう。特に、自宅などを知られたくない人は要注意です。

正常に設定できてれば、LiveTrack24のサイトで自分のライブトラッキングの様子を確認する事ができます。

ログインした状態で、サイトのトップページ上部メニューの「My Wall」から自分のログが保管されているページに入れます。ログは上から新しい順番に並んでいるので、ライブトラッキングが稼働していれば一番上部に表示されているはずです。

自分のユーザー名の左側に「Live!」と表示されていればOK。

ここまで準備出来れば、あとは実際のフライトで使ってみましょう!
テイクオフ前にライブトラッキングをONにして、電波やGPS補足に問題ない場所にスマホを持って飛ぶだけです。

フライト後に、LiveTrack24のMy Wallに記録されたログを確認してみて、テイクオフ~ランディングまでがスムーズな軌跡で残っていれば完璧です!

ログが飛び飛びだったり、カクカクだったりする場合には、アプリもしくはスマホ本体の設定になんかの不具合がある可能性があります。どうしても改善されない場合には、周りのフライヤーやインストラクターなどに相談してみましょう。

白馬八方尾根フライトエリアにおけるLiveTrack24

白馬八方尾根でのフライトの安全管理にはLiveTrack24を導入しています。

フライト可能エリアを区分けしており、一定の範囲の外へ飛んでいく場合(XCフライト)には必須となります。
今後もこの方針をさらに細かく固めていく予定ですので、エキスパートパイロットの方は必ず導入して使い方をマスターしておいてください。

近年のパラグライダーは安全性と飛行性能の向上により、比較的だれでも簡単に遠くまで(広範囲を)フライト出来てしまいます。それは、楽しみが大きくなることでもあるとともに、リスクが大きくなることでもあります。
万が一の事態に備えて、位置情報を他者と共有することはかなり有効です。

エキスパートパイロットを目指す方も、そうでない方も、スマートフォンさえ持っていれば無料で使えますのでぜひご活用ください。

安全と楽しみどちらも倍増する事間違いなしです!!

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